新潟県屈指のパワースポット「弥彦神社」。荘厳な随神門、心洗われる参道、そして神聖な本殿…。しかし、ここに訪れるほとんどの人が気づかない「隠されたお社」があることをご存じでしょうか?私も最初に知ったときは驚きました。何度も訪れたはずなのに、まったく気づかなかったこの存在。今回の記事では、その謎のお社について、私自身の考察を交えながら詳しくご紹介します。
弥彦神社に隠された「詳細不明のお社」とは?
1. お社の場所
- 弥彦神社の参道を進む
- 随神門に向かって歩く
- 左手側の藪の中
…と聞いて、”そんなところに何かあったっけ?”と思う方も多いでしょう。実際、このお社は藪の奥にひっそりと佇んでいて、普通に参拝するだけでは気付かないことがほとんどです。
柵に囲われた流造(ながれづくり)の小さな社殿が見えるはずです。これこそが、今回の主役である”詳細不明のお社”です。
驚くべきは、その存在感の薄さです。公式な案内板もなく、多くの参拝者は気づかないまま通り過ぎてしまいます。このお社、実は地元の新潟県民でさえ知る人はごくわずかです。

2. 何の神様が祀られているのか?
ここが最大の謎です。
弥彦神社に関わる文献をいくら調べても、このお社についてはほとんど触れられていません。弥彦神社の公式書籍には、存在自体についての記載はあるものの、肝心の「どの神様を祀っているのか?」については一切触れられていません。まさに「詳細不明のお社」と言えるのです。
私は個人的に、ここに祀られている御霊は**弥彦村の産土神(うぶすながみ)や氏神(うじがみ)**ではないかと考えています。弥彦神社が建立される以前から、この地で信仰されていた古い御霊なのではないでしょうか?場合によっては、弥彦神社の主祭神である天香山命(あめのかごやまのみこと)よりも古い神様である可能性もあります。
また、地元の伝承や弥彦村の歴史に深く関わるお社である可能性が考えられます。しかし、その正体を明らかにする手がかりは非常に限られているのです。
幾度となく火災に見舞われた弥彦神社。貴重な文献はほとんどが焼失してしまいました。
3. なぜ隠されているのか?
ここで疑問に思うのが、「なぜこれほどひっそりと祀られているのか?」という点です。弥彦神社は新潟県内でも屈指の観光地であり、古来より多くの人々の信仰を集めてきた神社です。それにもかかわらず、このお社が藪の中に隠されるように祀られているのは、どこか意図的なものを感じざるを得ません。
一つの可能性として考えられるのは、**「神聖さを守るため」**ではないでしょうか。目立たない場所に祀ることで、不特定多数の人の干渉を避け、静かに神様をお守りしているのかもしれません。
謎のお社を訪れる際の注意点
もしこの記事を読んで興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひ弥彦神社に訪れた際、この隠れたお社を探してみてください。ただし、注意点がいくつかあります。
• 藪の中にあるため、近くに行くことは出来ません。
• 参道から拝むだけにしましょう。お社は参道から外れた藪の中です。立ち入ってはいけません。
• 心静かに。
謎に満ちたお社の魅力と、古代信仰のロマン
弥彦神社の隠されたお社は、まだまだ謎だらけです。しかし、それこそがこのお社の最大の魅力ではないでしょうか。弥彦村の古代信仰が今に息づいている可能性を考えると、ロマンを感じずにはいられません。
普段、目に見えるものだけを追いかけてしまいがちな私たちにとって、この隠れたお社は「見えないものに目を向ける」きっかけを与えてくれる存在かもしれません。
まとめ:弥彦神社を訪れる際は藪の中にも目を向けてみてください!
次に弥彦神社を訪れる際は、ぜひ随神門へ向かう途中、左手の藪の中をじっと見てみてください。そこにひっそりと佇むお社に気づいたら、きっと特別な気持ちになるはずです。
私たちが気づいていないだけで、歴史や信仰の中には、まだまだ「隠された宝物」が眠っています。このお社もその一つかもしれませんね。弥彦神社の新たな一面を発見し、歴史と神秘の旅を楽しんでください!
参考文献
岡 眞須徳 著 『弥彦郷土志 弥彦神領史話』 北洋印刷 1985年
彌彦神社 編 『彌彦神社』 学生社 2003年
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